サンパウロの歴史に残る大火災
現在、Edifício Praça da Bandeiraという名前で呼ばれているビルは元々Joelma Buildingの25階建ての超高層ビルでサンパウロのダウンタウンの中心部にありました。そしてある日火災が発生し、悲惨な大事故として今でもブラジルでは語られています。
1974年の2月1日朝の8時50分、756人の人々がこのビルに閉じ込められたまま火事が起こりました。
火から逃れるために170名は、ビル屋上に逃げましたが、燃え盛る火の煙と熱で救助用ヘリコプターは近づけず、ビルの手すりを伝って必死に降りようとする者や、はしご車のはしごに目がけて飛び降りる者もいました。それにより、沢山の命が失われました。
鎮火が確認された後、消防士が生存者確認でビル内に入った際、そこらじゅうに死体が転がっていたということです。
火事の原因は12階のエアコンがオーバーヒートをして火を吹き、偶然にもこのビルの内装が可燃性の素材で作られていたため、20分ほどで火がビル全体に回ってしまったのです。火は午後1時30分には消し止められましたが、多くの犠牲者を出してしまいました。
わずか20分で火に包まれたビルの謎
このビルは建設当初から火災対策に関して不十分な点がいくつかありました。
火災報知器、スプリンクラー、非常灯、非常口などが設置されていなかった事、そして空調をビル内で均一に保つために空気の通り道を巡らした事がこの火災の規模を広げてしまった原因とも言われています。
火災の始まりは12階の空調設備が熱を保ちすぎてオーバーヒートをし、発火した状態でビル内の空調管を伝わり火が一気に広がりました。
身元不明の13人
消防士たちがビル内の状況を操作していると、閉ざされたエレベーターにいた13体の遺体を発見しました。そしてその13人の身元が今でもわからないため、今現在サンパウロの墓地に「13人の魂」として埋葬されています。
ビル建設前にこの地で起きた事件
実はこのビルの建設地には呪われているという噂があります。このビルが建てられる前、ポール・キャンベルが母親と二人の姉妹の5人の家族でこの場所に住んでいました。そしてある日突然、ポールは家族を殺害したという事件がありました。ビルの大火災の事もあり、この場所は「悪魔の土地」として呼んでいる人もいます。
現在の「Praça da Bandeira」という名前のビルが建てられ、数々の幽霊目撃情報があります。